JARECは不動産の専門家「不動産カウンセラー」「不動産戦略アドバイザー」を育成する、NPO法人です。

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2022 07/30
コラム
不動産鑑定事務所独立5年目の雑感

2020/09/30

vol.02


 

不動産鑑定事務所独立5年目の雑感

 


小川 哲也
不動産カウンセラー
おがわアセットカウンセル株式会社

JAREC常務理事の小川哲也です。私は不動産鑑定会社の日本ヴァリュアーズ(株)を2016年3月末に退職し、同年4月から千葉県柏市で不動産鑑定事務所を開業しております。なんとか5年目に入り自転車操業状態ではありますが、一人事務所としては順調に営業して参りました。

しかし、この4年を振り返ると、年に1ヶ月は暇をもてあそぶ時間が生じております。暇ではない期間はかなり忙しいのですが、うまく平準化して仕事は来てくれません。
創業当初は各種交流会等に参加し、自分の名前を売る活動を行い、そこから紹介でお仕事が入るようになりました。しかし、他士業が中心ですのでスポット的なお仕事がほとんどになり、なかなか先を読めるような状態にはなりません。

千葉県は東京の隣ではありますが、鑑定士の仕事としては地方事務所的な内容となってしまいます。地価公示、地価調査、国税の路線価、固定資産税、市役所各部署からの評価依頼が中心となります。これに上記の様な他士業、前職の下請け、民間企業等から年に数件程度、この他某投資ファンドの投資委員会委員報酬というのが売上の内訳になります。

正直申し上げて、一人で事務所を運営していくのであれば、ギリギリ食っていけますし、今程度の仕事でお茶を濁しているのが楽でいいのではないかと思うこともあります。しかし、これも未来永劫継続して仕事が来るとは限りませんし、現状に安住してしまうと仕事もつまらなくなってしまいます。また、鑑定業には上記の他に競売評価人の仕事がありますが、千葉県ですとかなり狭き門でなかなか入れませんので、これを前提とした経営計画は立てにくい状況になっています。

私の会社は、おがわアセットカウンセル(株)と申します。あえて社名に鑑定という文字を入れませんでした。創業時は鑑定と不動産カウンセリングをやっていこうと志していましたが、なかなかカウンセリングの仕事は入りませんし、相談は受けるものの、カウンセリングフィーを受け取るまでには至りません。このように、鑑定以外の部分ではほとんど仕事になっていない状況ですが、創業当初から相続の勉強会には継続的に参加しています。

講座に参加していくうちに、相続と事業承継、事業承継とM&Aは表裏一体であることも分かってまいりました。そこで私は中小規模企業の承継をキーワードに、不動産カウンセラーとしての仕事を弊社の柱の一つにしていきたいと考えるに至りました。

既にJARECでも事業承継講座等の動きがございますし、JARECの各会員が協業できる事業や各会員間のマッチングを行う仕組みも開発される予定です。これらはもちろんのこと、私は個人的にも中小企業の承継に関わる仕事に参画できるように、今までと少し軸足を変えて動いていこうと思っております。

JARECの各会員間で情報交換や協業する機会が出来れば素晴らしいと思います。各会員間の繋がりが大きくなると、新しい動きや効果が出てくるかもしれませんね。

今後ともよろしくお願い致します。

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